恋は異なもの味なもの


by momobungo

ハンマーが振り下ろされる夜

トラボケ 2008夏 レベル6 お題発表
お題
薄暗い夜道を歩いていると、見知らぬ人物が前方に立ちふさがった。
その人物はコートをはだけ、何らかのブツを露出して、何らかの行為を行いはじめた。
さて、どう反応したものだろうか?


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日が落ちても、空気は昼間の熱を保っている。
風でもあれば少しは涼しくなるだろうに。夜風の吹く気配は皆目ない。

駅からの帰り道はいつも足が速くなる。
街灯もほとんどついていないし。物騒よね。
帰り道を知っている知人は口々に言う。気をつけてねと。
気をつけたからと言って、どうにかなるものでもないのに。

カツ、カツ、カツ・・・・

足音が夜道に響く。規則的に響く音と闇が、恐怖心を煽る。

カツ、カツ、カツ・・・・

気がつけば、小走りに駆けている自分に気づく。
遠くに街灯がポツリと一つ灯っていて、ホッと胸をなでおろす。
あそこまで行けば一安心。思わず足を速める。






刹那、

人の気配を感じ取った。
全身の筋肉が危険信号を感じ取り、その場に立ちすくむ。
街灯の下に、人影が立っているのが目に入ったのだ。
あたかもスポットライトのように浮かび上がるその人影。
ひときわ大きな人影は、蒸し暑いこの時期にも関わらず、コートを羽織っていた。
心臓の鼓動が速くなる。

誰? だれなの?

その人影はゆっくりとコートの前を開いた。




その人影は、コートの下で








陸上競技のハンマーを握っていた。








「あ、あなたは・・・・











北京オリンピックで期待されながらも5位に終わった・・・
KOJI村武士(むらふし)!







KOJI村武士は、コートの下のハンマーを握り締めたまま口を開いた。








「一緒に夜のオリンピックの金メダルを目指さないか?
naoya.(ドット)。」


naoya.(ドット)はKOJIのハンマーに目を奪われつつ、震える声で問いかけた。

「KOJIのアニキ!北京に行っていたんじゃないッスか?」
「お前の夜の三角絞めが忘れられなくってな。やはり俺が金メダルを取るためにはnaoya.(ドット)、お前の、柔道を応用したボディマッサージが必要なんだ。いや、お前のが必要なんだ。俺と一緒にロンドンを目指してくれ。」

KOJIはコートの下でハンマーを弄びながら、そう言った。

「KOJIのアニキ・・・無理ッス・・・。」

naoya.(ドット)は消え入りそうな声で言った。

「何?」

「アニキ・・・ダメっす・・・自分は・・・。」

naoya.(ドット)の瞳が、街灯の明かりを照らし揺れている。

「どうしてだ?昔はあんなにハッスル!したじゃないか。なぜダメなんだ?」

KOJIがnaoya.(ドット)のごつい肩に手をかける。手が触れた瞬間、その下で筋肉がピクっと微かに震えたのを、アスリートの掌は感じ取っていた。

「さては、naoya.(ドット)。俺のほかに好きなヤツができたな!」

「そ、そんな・・・。」

「誰だ!それは・・・」












「タイソンっす・・・。」

「えっ?」




タイソン・ゲイっす。
タイソンのアニキ、予選落ちして可哀そうだったッス。
だから自分、そんな姿に恋してしまったッス。」

naoya.(ドット)の瞳は、恋する乙女のそれであった。

「ちょ・・・ちょっと待て。naoya.(ドット)・・・。」

KOJI村武士はそれまでコートの下でハンマーを握っていた手で、naoya.(ドット)の手を掴もうとした。naoya.(ドット)はその手を掴むと関節を逆に決めたまま、KOJIの体を崩して寝技に持ち込む。横四方固めから上四方固め。密着する肌と肌が、言葉以上に相手の感情を伝える。体温とともに、体の奥に封印されていた欲望が溢れ出す。






「あ・・・アニキぃぃぃ!!!


「な・・・naoya.(ドット)ォォォ!!!






街灯の下で、

二匹の獣となった二つの影は、

朝が来るまで寝技をし続けた。




その傍らには、

街灯の光を浴び鈍い光を反射するハンマーが、

忘れられたように置かれていた。




■□■□■□■□■□【トラバでボケましょうテンプレ】■□■□■□■□■□
【ルール】
参加:
 お題の記事に対してトラバしてボケて下さい。
 締切りは1つのお題に対し30トラバつく、もしくは次の金曜日夜中まで
 1つのお題に対しては1人1トラバ(1ネタ)とします。
 お題が変われば何度でも参加OKです。

チャンプ:
 お題を出した人が独断で審査しチャンプ(大賞)を決めます。
 チャンプになったら王様です。以下の特典と栄誉が行使できます。
  1.お題を出す
  2.言いたい放題な審査をする
  3.次のチャンプを決める
 何か困ったことがありましたら開催事務局までどうぞ。

企画終了条件:
 みんなが飽きるまで、もしくは開催事務局が終了宣言を告知した時です。

参加条件
 特になし!
 ※ 以下あれば尚可!!
 ブログをもっている。あるいはこれから作成する。
 トラックバック機能が使える。

 ※誰でも参加出来るようにこのテンプレを記事の最後にコピペして下さい。

 企画元     毎日が送りバント http://earll73.exblog.jp/
 開催事務局  ボケトラの穴     http://trana88.exblog.jp/
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北京オリンピック陸上ハンマー投げを見て、思わず書いてしまいました。
なんだろう、この罪悪感。
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by momobungo | 2008-08-17 22:56